目次
- 10-1
- 江戸歌舞伎
- 11-1
- 歌舞伎の起源
- 11-2
- 江戸初期の劇場
- 11-3
- 江戸の三芝居
- 12-1
- 初期の名優
- 12-2
- 歌舞伎に関する刊行物
- 12-3
- 元禄・享保期の名優
- 12-4
- 明和・安永・天明期の名優
- 12-5
- 化政・天保期の名優
- 12-6
- 弘化・嘉永・安政及びその後の名優
- 12-7
- 歌舞伎の作者
- 12-8
- 芝居年中行事
- 13-1
- 役者という名称
- 13-2
- 役者の身分
- 13-3
- 役者の分類
- 13-4
- 千両役者
- 13-5
- 役者と河原乞食
- 13-6
- 歌舞伎役者は芸術家
- 20-1
- 広告としての歌舞伎
- 21-1
- 寿の字模様
- 21-2
- 外郎売
- 21-3
- 助六劇
- 21-4
- 新宿の広告劇
- 21-5
- 二代目市川団十郎
- 22-1
- 振売を所作事にし上演
- 30-0
- 歌舞伎から生まれた流行
- 31-1
- 染色もの
- 31-2
- 帯の結び方
- 31-3
- 帽子
- 31-4
- 鬢の形
- 31-5
- 化粧品
- 31-6
- 役者の定紋をつける流行
- 31-7
- 地紙売り
- 40-1
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歌舞伎から生まれた流行
染色もの
江戸鹿子 江戸鹿子には創始者が二人ある。一人は女形俳優であり、一人は遊女である。「役者全書」には 貞享元禄の始、伊藤小太夫と云ふ女形江戸にて此鹿子染を着たり、大にはやる是京大坂にて江戸かのことあり、「新吉原つれづれ草」元禄二年版 には こむらさき着そめて江戸鹿子といふ物世にひろまりし とある。即ちこの「江戸鹿子」の創始者が二人いることになる、しからば小太夫が先きか、小紫が後であるかを究明せねばならない、一般には小太夫を問題にし小紫を閑却し、その名称も小太夫鹿の子とも称されている。かく述べるときに流行に対しては遊女よりも俳優の方が強力であるらしい。 元禄には太夫の数は甚だ斟なかっと、江戸の新吉原には三四人、京都と大坂では大坂の方が優勢で太夫が三十余人あるが京都はその半数もなかった。この点全然江戸では比較にならない、小紫は太夫で三代あっていづれも助六割とそれに現われたる広告 ・・・